金曜日, 12月 06, 2024

ベイヌム のブリテン













春の交響曲は、1948~49年にかけて作曲されたが、その初演を収めたのがこの1949年7月9日ライヴ盤である。現代音楽としての特有の難解さはあるものの終演後の盛大な拍手は作品への惜しみなき賛辞であろう。ベイヌムの演奏スタイルは、たとえば他の声楽曲 beinum大地の歌  同様、独唱と合唱を極力、プレイアップするよう管弦楽を最適にコントロールしている様子が伝わってくる。歴史的名演といえようが、いかんせん、録音はよくない。
一方、『ピーター・グライムズ』からの間奏曲は、スペクタクルな映画音楽を聴くような面白さがあるだろう。青少年のための管弦楽入門では、コンセルトヘボウの名技を文句なく楽しめる。録音もよく、ベイヌムも楽員も、ここでは伸び伸びとリラックスして収録しているような余裕が好ましい。

<収録情報>
・春の交響曲 作品44
ヨー・ヴィンセント(ソプラノ)、キャスリーン・フェリアー(アルト)、ピーター・ピアーズ(テノール)ロッテルダム少年合唱団、オランダ放送合唱団 1949年7月9日ライヴ
・歌劇 『ピーター・グライムズ』 から 4つの海の間奏曲 1953年9月 
・青少年のための管弦楽入門 1953年9月

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