「春の祭典」は1955年の録音。同曲の名盤といえば、マルケヴィッチ盤 ストラヴィンスキー:春の祭典/スキタイ組曲 がでたのが1959年、カラヤン盤 ムソルグスキー:展覧会の絵/ストラヴィンスキー:春の祭典 が1963年、ブーレーズの旧盤 ストラヴィンスキー:春の祭典/ペトルーシュカ が1969年である。マルケヴィッチ盤よりも4年もはやくオーマンディがこの曲を録音していたその先駆性にまず驚く。
次にその演奏だがなんとも見事なもの。このオーマンディの解釈をストラヴィンスキーは気にいらず酷評したらしい。また、1959年、オーマンディからストラヴィンスキーへ直接作品を委嘱するも返事すら来なかったというエピソードがあるとのことだが、実は作曲家がもっとも手厳しく批判したのはカラヤンの演奏だったという。そうした意味では、原曲を素朴に演奏することを最善とした作曲家の意図に反して、オーケストラの技巧がまさり、とても色彩的でかつリズミックな迫力に富むという点で、オーマンディ、カラヤン両者に共通するものがあるのかも知れない。
あらゆる音が明確に浮かび上がり、全体のバランスも崩れることなく、テンポ設定も恣意性を感じさせず、かつ音質が明るく弦楽器の響きがとりわけ美しい、いま聴けばこれはオーマンディの快挙といってよい名録音であると思う。
次にその演奏だがなんとも見事なもの。このオーマンディの解釈をストラヴィンスキーは気にいらず酷評したらしい。また、1959年、オーマンディからストラヴィンスキーへ直接作品を委嘱するも返事すら来なかったというエピソードがあるとのことだが、実は作曲家がもっとも手厳しく批判したのはカラヤンの演奏だったという。そうした意味では、原曲を素朴に演奏することを最善とした作曲家の意図に反して、オーケストラの技巧がまさり、とても色彩的でかつリズミックな迫力に富むという点で、オーマンディ、カラヤン両者に共通するものがあるのかも知れない。
あらゆる音が明確に浮かび上がり、全体のバランスも崩れることなく、テンポ設定も恣意性を感じさせず、かつ音質が明るく弦楽器の響きがとりわけ美しい、いま聴けばこれはオーマンディの快挙といってよい名録音であると思う。
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