ベートーヴェンの9曲の交響曲はすべて卓越した作品だが、第3番「英雄」、第5番「運命」、第6番「田園」、第7番、第9番「合唱」は俗称をふくめ有名な一方、初期の第1番、第2番、中期の第4番や後期の第8番はいささか地味な存在に映る。しかし、優れた構想力をもって作曲された各曲はそれぞれの魅力をたたえている。
第4番ではモントゥーの鷹揚さとの相性が良いように思う。
ベートーヴェン 交響曲第4番
モントゥーはベートーヴェンの交響曲では偶数番を得意とするといった説もあったが、それは同じオケでの全集がなかったから、偶数番が注目されたゆえではないかとも思う。
たとえば、北ドイツ放送響との1959年収録では第2番と第4番の組み合わせ。これは、コンサートホール・ソエティレーベルの発売だった。モントゥーは同年、別レーベルにLSOと第4番を、翌60年には第2番を録音しており、得意の演目であったことがわかる。「英雄」と「運命」のあいだの”谷間の百合”にも喩えられる第4番だが、単独でももちろん十分楽しめる名曲である。小生は、EXPO70’で大阪にてカラヤン/ベルリン・フィルのライヴで聴いた。第7番とのコラボであったが、双方のそれぞれの良さを自覚する機会でもあった。
モントゥー演奏の色調は基本的に明るい。陰影はあっても明るさを際立たせる技法にたけている。それが、偶数番との相性の良さ、といった見方になったのかもしれない。以下は、ボストン響についての推薦盤である。
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