木曜日, 12月 05, 2024

C.デイヴィスのハイドン












ハイドンではドラティ ハイドン:交響曲第94番「驚愕」/第100番「軍隊」/第101番「時計」 の室内楽的な整ったアンサンブルが好みだが、ディヴィスの自然体で、かつ輪郭線のはっきりした本盤も優れものである。

男性的なハイドン像をうまく表現していると思う。ちょっと暗めの出だしがその後、明るく輝きをまし、おどけたウイッティさにかわる妙味(「驚愕」)。几帳面さをあたかも揶揄するかのごとき規則性(「時計」)。そういったドラマ的な表現はここではむしろ控え目で、むしろ全体として溌剌とし健康的で堂々たるシンフォニックな醍醐味を味わわせてくれる。一見リラックスした雰囲気を漂わせながら、端正な仕振りは周到。なかなかの巧者でありながら、微塵もそうした「作為」を感じさせないところこそデイヴィスの名腕のなせる技なのだろう。

 織工Ⅲ: いいですよ、コリン・デイヴィス

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