The Great Conductors からの1枚、バルビローリ/ハレ管にてエルガーを聴く。交響曲第1番の初演オケはハレ管であり、指揮者は大物ハンス・リヒターであった。耳慣れた「威風堂々」のメロディで有名なエルガーだが、交響曲第1番では循環形式をとる一方で巧みな変調で複雑な構成をとり、あたかもモダンと古典の融合を図らんとするかの如く渾身の力を入れている。バルビローリはシベリウスを非常に得意としていたが、このエルガーでも、夢みるような感興の豊かさに全体を包み込みながら、オーケストラの自由度を尊重して見事に操舵し、清潔な響きと劇的な盛り上がりを表現している。弦楽のためのエレジー Op.58とエニグマ変奏曲 Op.36(抜粋)も名演。1956年の録音ながら比較的鮮明な音である。
0 件のコメント:
コメントを投稿