日曜日, 5月 27, 2018

名盤探訪 Toscanini トスカニーニ 1939年のベートーヴェン:交響曲全集

トスカニーニ1939年のベートーヴェン:交響曲全集
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1939年10月28日から12月2日まで、ニューヨークのNBC8Hスタジオ(9番のみカーネギー・ホール)で集中的に録音された記念碑的なベートーヴェン交響曲全集。

一般には1949〜53年に録音された Beethoven: The 9 Symphonies がより廉価で録音も聴きやすくこちらがお奨めですが、トスカニーニのファンには本集も捨てがたい魅力があります。

1937年12月、トスカニーニのために組成されたNBC交響楽団の初期における渾身の録音であることが第1の理由です。翌年の十八番の名演 ヴェルディ:レクイエム&テ・デウム(トスカニーニ指揮1940年ライヴ) も聴きものですが、人口に膾炙したベートーヴェン交響曲全集ゆえ、当時のインパクトは現在では考えられないくらい大きなものがあったでしょう。

 放送用録音ゆえに、聴取環境が悪くても、ある程度クリアに聴くことができるような配慮でしょうか、隈取のはっきりした演奏です。金管の強調されすぎや低音部の音痩せには忍耐がいります。演奏の特色としては、アポロン的明燦さときわめて明確な解釈を強く感じます。全体として短めにフレーズを処理し、きっちりと音束を揃えた歯切れのよさが身上です。しかし、迸る情熱は凄まじく、2,4,6番などの緩徐楽章は快速で小気味よく展開し、その一方、3,5,7番の終楽章などの追い込みの迫力は圧倒的です。真の歴史的名演です。

◆ベートーヴェン/交響曲全集&序曲集

第1番(1939年10月28日)
第2番(1939年11月4日)
第3番『英雄』(1939年10月28日)
第4番(1939年11月4日)
第5番『運命』(1939年11月11日)
第6番『田園』(1939年11月11日)
第7番(1939年11月18日)
第8番(1939年11月25日)
第9番『合唱』(1939年12月2日)※

『エグモント』序曲(1939年11月18日)、『レオノーレ』序曲第1番 (1939年11月25日)、同第2番(1939年11月25日)、同第3番 (1939年11月4日)

※ジャルミナ・ノヴォトナ(ソプラノ)、ケルステン・トルボルイ(アルト)、ジャン・ピアース(テノール)、ニコラ・モスコーナ(バス) ウェストミンスター合唱団(於:カーネギー・ホール)

→ 最新のリマスターでなければ Ludwig van Beethoven: Complete Symphonies & Selected Overtures (1939) の廉価購入も可能です。

       
 

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