火曜日, 5月 22, 2018

名盤探訪 Rostropovich  Prokofiev: The Complete Symphonies

Prokofiev: The Complete Symphonies
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以下は代表的な2曲についてコメント。

<第7番>
プロコフィエフの最後の交響曲。「青春」という副題があり古典的な構えと明るい雰囲気に包まれている。ほかの交響曲における一種、暗喩された情念といった要素はすっかり影をひそめ、ショスタコーヴィチのような激情型とも異なる柔らかさもある。一方、基調の「明るさ」には落着きと心地よさがあるのだが、ときに作為(どこか無理をした作り笑い的なところ)も垣間見え、第4楽章が典型だが、一般にわかりやすい分だけ、作品としては平板でやや独創性に欠ける気もする。

<第5番>
第1楽章、全体としてメロディは柔らかく親しみやすいが、管弦楽の多重的な使用によって複雑なニュアンスを裏打ちしている。第2楽章は軽快で躍動的なスケルツォ、一転し第3楽章では弦楽の美しい旋律が続くが、背後で不安定な心理を調性の変化によって表現しており本曲の聴かせどころ(演奏も素晴らしい)。終楽章は、明るく前向きな心情を感じさせる。

ロストロポーヴィチ(1927~2007年)は、同時代として、プロコフィエフ(1891~1953年)の生存中の成果を強く意識しその普及に努めた。本交響曲全集もその成果のひとつ。作品の素材の良さを最大限、表現せんと全身全霊で臨んでいる姿を連想させ好感がもてる。

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